大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)733 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、本件滞納処分に際し、滞納税金のうち村民税が町民税と誤記されている

にかかわらず、原判決が本件滞納処分を是認したのは違法である旨を主張するので

ある。

しかし、D村は昭和二七年一月一日町制施行によつてE町になつたのであつて、

D村とE町とは別のものではなく、また村民税と町民税とは別種の税ではなく、そ

の年度からいつても、右の誤記は明白な誤記であり、このような誤記があつたから

といつて本件滞納処分を違法として取り消すべきではない。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、原判決が国税徴収法施行細則一八条が地方税法による督促に準用がない

旨判示したのを非難するのであるが、右細則一八条が地方税の督促に準用のないこ

とは条文上明白である。原判決は正当であつて論旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、本件滞納処分は、E町税賦課徴収条例二二条で定める納期後六〇日経過

後に行われた違法がある旨を主張するのであるが、右条例の規定を訓示規定と解す

べきことは原判示のとおりであつて、右期間経過後になされた故をもつて本件滞納

処分を違法とすることはできない。

論旨はさらに、本件差押調書が国税徴収法施行細則に定める様式と異り違法であ

る旨を主張するのであるが、原判示のように、右施行細則附則は細則所定の書式と

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異る従前の様式のものでも使用できる旨を規定しているのみならず、右書式は国税

に関する書式であつて、そのまま地方税に適用し難い点もあつて、結局、差押調書

には国税徴収法施行規則一六条の記載事項の記載があれば足りるものと解すべく、

そして原判決の認定するところによれば、本件差押調書の記載は右規則一六条所定

の事項を具備しているというのであるから、本件差押調書を違法とすべき理由はな

い。論旨は理由がない。

追加上告理由第一点について。

論旨は、原判決の理由不備、原審の上告人主張の誤解等を主張するのであるが、

論旨は原判示の誤解に基くか独自の見解に基くものであつて、原判決に所論のよう

な違法はなく論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は要するに原審の専権に属する証拠の取捨選択を非難するに過ぎず、これを

採用することはできない。

同第三点について。

論旨は、納期から二〇日以上経過した後出された督促状は町条例に反する旨を主

張するのであるが、かりにかかる事実があつたとしても、右条例の規定は訓示規定

と解すべく、本件滞納処分の適否には関係がない。その他の論旨は、上告人独自の

見解に立つて原判決を非難するのであつて到底採用することができない。

以上説明のとおり本件上告は理由がないからこれを棄却することとし、民訴四〇

一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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